施設認定制度

覚醒下脳手術施設認定制度 指針

第1章 総則

(目的)
第1条 覚醒下脳手術(以下 本手術)とは、脳腫瘍を摘出する際など手術中に患者を覚醒させ、運動・言語機能やその他の高次脳機能を同定(マッピング)し、脳手術中の神経機能をモニタリングする技術である。特に、言語機能やその他の高次脳機能は覚醒状態でしか確認ができないため、温存すべき脳機能野近傍の脳腫瘍等摘出時に覚醒下マッピングを可能とする本手術は必須の技術である。
日本Awake Surgery学会(以下本学会)は、本手術に携わる医師が、本手術の目的を理解した上で、手術手技・麻酔・言語評価に共通する基本知識、合併症対策等について習得し、本邦での本手術の健全な普及と進歩を促し、ひいては国民の利益と福祉に貢献することを目的として本手術の施設認定制度(以下本制度)を制定する。本制度は基本的技術を有する医師の所属施設に対しての認定であり、認定を受けない施設が、本手術を行うことを否定するものではない。
なお本制度は一般社団法人日本脳神経外科学会 (以下日本脳神経外科学会)からの委託を受け、施行される。
この指針は、本制度に関し必要な事項を定めるものとする。
(認定に必要な知識・技術) 第2条 本制度で認定を受ける施設に所属する医師等が獲得すべき知識および技術は、本手術の1)麻酔法、2)手術手技、3)脳機能マッピング・モニタリング法、4)高次脳機能評価法、5)看護技術(術前・術後を含む)とする。

第2章 施設認定制度委員会

(設置)
第3条 本学会は、前章の目的を達成するために施設認定制度委員会(以下制度委員会)を置く。
(業務)
第4条 制度委員会の業務は以下の通りとする。
1)本制度に関わる規約の作成並びに改訂。
2)関連学会との連絡および調整、その他、本制度にかかわるすべての問題 への対処。
3)本制度認定施設(以下認定施設)の審査ならびに判定(施行細則第 4 章)
4)講習会の開催および認定(施行細則第 9 条)
(委員の資格)
第5条 制度委員会委員(以下委員)は、本学会の運営委員 (以下運営委員)の互選により選出する。
(委員長の選任)
第6 条 制度委員会に委員長と副委員長数名を置く。委員長は、制度委員会にて推薦の上、運営委員会で決定される。
(委員長の業務)
第7条 委員長の業務は以下の通りとする。
1)委員長は、必要に応じて、制度委員会ほか施設審査に関わる委員会を開催することができる。
2)制度委員会において決定された重要案件を、運営委員会に報告し、運営委員会の承認のもとに執行する。
3) 委員内定者、認定証交付内定施設を運営委員会に報告し、運営委員会の承認を得る。
(任期)
第8条 委員の任期は、運営委員と同じとする。
(欠員の補充)
第9条 委員あるいは委員長に欠員が生じたときは、第6条に定める任命方法に準じて補充を行う。
(委員の資格喪失)
第10条 次の各号に該当する者は、制度委員会および運営委員会の議を経て、委員の資格を喪失する。
1)正当な理由により委員を辞退したとき。
2)運営委員を辞したとき。
3)その他、委員として不適当と認められたとき。

第3章 認定施設

(申請資格)
第11条 技術認定を申請する施設(以下申請施設)は、以下の要件を満たすこと。
1) 脳神経外科を標榜している施設であること。
2) 日本麻酔科学会認定施設であること。
3)本手術に関して別に定める実績と本学会が行う講習会を受講した脳神経外科専門医および麻酔科専門医が常勤医として診療に従事していること。
4)施設認定後は、本学会の策定した覚醒下手術ガイドラインに準拠した手術を行うことに同意した施設であること。
(申請方法)
第12条 申請施設は、施行細則第5条に定める申請書類の正本および副本(2部)、および審査料を、申請期間(施行細則第7条)内に本学会へ提出する。
(審査方法)
第13条 1) 制度委員会は、申請書類をもとに申請施設についての審査を行う。施行細則第6条に定める書類について制度委員会で審査し、結果を運営委員会に報告、運営委員会が認定施設案を作成する。
2) 認定施設案は、日本脳神経外科学会に報告され、日本脳神経外科学会での審議を経て、承認される。
(認定証交付)
第14条 1) 本指針に基づいた審査の結果、本手術施行施設として十分な技術があると判定され、日本脳神経外科学会で承認された申請施設は、施行細則第8条に定める認定料を本学会に納入する。
2)本学会会長は、学術集会会長、 日本脳神経外科学会理事長および同医療機器委員会と連名で覚醒下脳手術施設認定証を交付する。
(資格の更新)
第15条 1) 更新は、施行細則第6条に定める書類について制度委員会で審査し、結果を運営委員会に報告、運営委員会が認定施設(更新)案を作成する 。
2)認定施設(更新)案は、日本脳神経外科学会に報告され、日本脳神経外科学会での審議を経て、承認される。
(資格の喪失)
第16条 次に該当する施設は、制度委員会、 運営委員会 および日本脳神経外科学会 の議を経て、その資格を喪失する。
1)正当な理由を付して、認定施設の資格を辞退したとき。
2) 認定施設として必要な要件を喪失したとき。
3) 申請書に虚偽の認められたとき。
4)その他、 認定施設として不適当と認められたとき。
(資格復活) 第17条 やむを得ない事情による認定料、更新料等滞納のため取り消された認定施設資格は、制度委員会、運営委員会および日本脳神経外科学会の議を経て、復活を認めることができる。

第4章 補則

(改定)
第18条 1) 本指針の改定は、制度委員会の提案のもとに、運営委員会および日本脳神経外科学会の議決を経なければならない。
2) 本指針は、発効後5年ごとに制度委員会で再検討する。
(発効)
第19条 本指針は、平成26年10月9日に発効する。
(細則)
第20条 本指針を実施するために、 別に細則を設ける。
(平成26年10月9日施行 )

覚醒下脳手術施設認定制度 施行細則

第1章 総則

(目的) 第1条 この細則は、脳腫瘍覚醒下マッピングを行うための覚醒下脳手術施設認定制度指針第20条に基づき、覚醒下脳手術施設認定制度(以下本制度)の施行に関し必要な事項を定めるものとする。

第2章 事務局

(事務局) 第2条 本制度施行に伴う諸事務を円滑に運営するために、日本Awake Surgery学会(以下本学会) 事務局内に覚醒下脳手術施設認定制度委員会(以下制度委員会)の事務局を置く。

第3章 施設認定の条件

(施設基準)
第3条 本制度の施設基準として以下を満たすこと
1)脳神経外科を標榜している病院であること。
2)日本麻酔科学会認定施設であること。
3)診療報酬点数表K169に該当する頭蓋内腫瘍摘出術を年間5例以上実施していること。
4)本学会学術集会に5年間で2回以上参加し、かつ制度委員会が作成した教育カリキュラムによる講習会(以下講習会)を終了している脳神経外科専門医が2名以上配置されており、そのうち少なくとも1名は本手術の術者または助手として合わせて5例以上の経験を有すること。
5)本学会学術集会に5年間に2回以上参加し、制度委員会が作成した講習会を受講した常勤の麻酔科専門医が1名以上配置されていること。
6)覚醒下脳手術の実施に当たって、本学会作成の覚醒下手術ガイドラインに準拠した手術を行うことに同意すること 。
(講習会受講)
第4条 1)本学会の運営委員会は、施設基準に必要な講習会を学術集会時等に年1回以上開催する。
2)受講料は別に定める。
3)本学会会長は、学術集会会長と連名で、講習会受講者に修了証を発行することができる。
4)同一施設において本手術に携わる脳神経外科専門医と麻酔科専門医の講習会受講は必須条件とする。
5)本手術に関わる同一施設の言語評価者(神経内科医、言語聴覚士等)および看護師についても講習会受講が推奨される。
6)各々の受講時期は同一である必要はない。
(実績報告書)
第5条 認定を受けようとする施設は、当該施設で行われた覚醒下脳手術症例数および代表症例について実績報告書を提出しなければならない 。

第4章 施設の認定と更新の審査

(提出書類)
第6条
1)施設認定申請書
2)従事する医師の履歴書
3)本学会学術集会参加証明書類(過去2回以上)(写)
4)脳神経外科専門医および麻酔科専門医の講習会(施行細則第10条)修了証(写)
5)実績報告書(覚醒下手術症例数の報告と代表症例 )
(申請期間)
第7条 申請期間は毎年 4 月 1 日から 6 月末日までとする。
(認定期間および認定料)
第8条 認定施設の認定期間は5年間とし、初回の認定料は10, 000円とする。
(資格の更新)
第9条 認定施設の資格更新のための提出書類等は、以下の通りである。
1)認定施設更新申請書
2)5年間で2回以上の本学会学術集会参加証明書類(写)( 2 名以上の脳神経外科専門医および麻酔科専門医)
3)更新料は5,000円とする。
4)認定後5年未満であっても人事異動があった場合には、第3章第3条2)~4)を満たす当該医師の履歴書、学術集会参加証明証および講習会修了証を提出し、更新を受けなければならない。

第5章 講習会

第10条 制度委員会は、安全な覚醒下脳手術による脳腫瘍覚醒下マッピングの普及を目的に、以下に定める講習会を行う。
1)講習会の講師は、制度委員会が中心となって担当する 。
2)本制度の対象となる技術は、覚醒下脳手術の1)麻酔法 、2)手術手技、3)脳機能マッピング・モニタリング法、4)高次脳機能評価法、5)看護技術(術前・術後を含む )であり、講習会ではその基本的内容を明確に受講者に周知する( 附則 1 )
3) 講習会の開催にあたっては、事前に制度委員会を開催し、講習会内容ならびに講師の選定について検討し、学会会長の承認を得る。

第6章 補足

(改定)
第11条 本細則の改定は、指針運営上改定の必要が生じた際に、制度委員会の提案のもとに、運営委員会および日本脳神経外科学会の議決を経なければならない。
(発効)
第12条 本細則は平成26年10月9日に発効する。

附 則

1)制度委員会は、本手術の施設経験数が 5 例未満の施設から施設見学等の相談があった場合には、手術見学等の機会を提供するなど適切な措置を講ずる こととする。
2)本制度発効前の第11回学術集会(平成25年8月24日)および第12回学術集会(平成26年9月11日)時に開催した講習会も、施設認定に必要な講習会の要件を満たしており、本制度に基づく講習会とみなす。
3)平成27年度に行う第一回施設認定に限り、同年に開催される第13回学術集会および講習会の受講を条件に仮申請を行うことができる。仮申請は、当該学術集会および講習会への参加が確認された時点で、正式な申請として受理される。

脳腫瘍覚醒下マッピング加算の施設認定についての Q and A* 施設認定の移行期における現実的な諸問題への対応をQ&Aとして記載します。 この内容は暫時変更される可能性があります

平成26年10月9日
(一社)日本脳神経外科学会
日本Awake Surgery学会

Q:日本Awake Surgery学会学術集会には過去一度も参加したことがありません。「過去5年間に2回以上参加」の条件を満たすためには今後2年間は待つことになるでしょうか?
A:2回以上学術集会に参加する必要があります。なお、平成27年度の施設認定に限り、過去に1回の学術集会参加歴があり、平成27年度の学術集会に参加することを条件に日本Awake Surgery学会に仮申請することができます(細則附則)。2回目の参加と同時に学会での正式認定の手続きを行い、より短い期間で施設認定ができるように検討しています。

Q:平成25年度の講習会は受講歴の対象になるでしょうか?
A:対象になります(細則附則)。

Q:講習会は年1度しかないのでしょうか?
A:移行期には年1度以上の開催が検討されています。詳細が決まりましたら、一社)日本脳神経外科学会ホームページ等で案内いたします。

Q:施設認定後の実際の加算はいつから始まるでしょうか?
A:原則的には、各施設から厚生局に申請し受理された翌月から始まります。
(平成26年3月5日付厚生労働省広報 保医発0305第2号4頁 )。

Q:申請についての問い合わせ等の窓口はどこでしょうか?
A:日本Awake Surgery学会事務局(山形大学医学部脳神経外科内:023-628-5349)です。

以上

覚醒下脳手術施設認定制度 お問い合せ先
覚醒下脳手術施設認定制度に関するお問い合せは下記 事務局宛にお願い致します。

〒990-9585 山形県山形市飯田西2-2-2 山形大学医学部脳神経外科学講座内
日本 AWAKE SURGERY 学会事務局 覚醒下脳手術施設認定制度申請係 宛
TEL: 023-628-5349 FAX:023-628-5351